ワイヤレスイヤホンのスペック表の見方|初心者が知っておくべき8項目を解説

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ワイヤレスイヤホンのカタログには「LDAC対応」「IPX5」「インピーダンス32Ω」など、見慣れない言葉がたくさん並んでいます。全部理解しようとしなくて大丈夫です。この記事では、スペック表のどこを見ればいいか・どこは気にしなくていいかを、わかりやすく整理します。

① Bluetooth規格・バージョン

カタログに「Bluetooth 5.3対応」などと書かれています。数字が大きいほど新しいバージョンです。

バージョンが上がると、主に消費電力の効率・接続の安定性・通信速度が改善されます。ただし音質はBluetoothのバージョンでは決まりません。音質を左右するのはコーデックです。

5.0以上であれば日常使いで困ることはほぼありません。「5.3だから音がいい」は誤解なので注意してください。

カタログに「A2DP」「HFP」「AVRCP」などのアルファベットが並ぶことがあります。これはプロファイルと呼ばれる「何の用途に使えるか」を示す規格です。

A2DP 音楽を聴く用
HFP / HSP 通話用
AVRCP 再生・停止・音量操作用

現在販売されているワイヤレスイヤホンはほぼ全機種がこれらを備えています。ただしシンプルなマイク付きモデルではAVRCP(操作機能)を省いている場合もあるので、操作機能が必要な場合は確認しておくと安心です。

② コーデック

コーデックとは、音声データを圧縮・送信するときの方式です。Bluetoothで音を飛ばすとき、データをそのまま送ることはできないので、一度圧縮してから送ります。その圧縮の方式がコーデックです。

主なコーデックは以下の4種類です。

コーデック 音質 遅延 対応機器
SBC 標準 やや大きい ほぼ全機種
AAC SBCより良い 普通 iPhone・一部Android
aptX / aptX HD 良い〜かなり良い 小さい 主にAndroid
LDAC 最高レベル やや大きい Android(Sony系)
注意

イヤホンとスマホの両方が対応していないと使えません。どれだけ高性能なLDAC対応イヤホンを買っても、スマホ側がLDACに対応していなければSBCで接続されます。

iPhoneはSBCとAACにしか対応していません。つまりaptXやLDACには接続できず、AACが一番いい品質になります。AACでも十分きれいな音が出るので、iPhoneユーザーはコーデックを深く気にする必要はありません。

「ハイレゾ対応」と書かれた製品も増えています。厳密には、LDACなどの高品質コーデックを使って送受信できる場合に名乗れる表記です。ただしハイレゾ音源(配信サービスや専用ファイル)を用意しないと意味がない点は覚えておいてください。

③ ドライバーサイズ

ドライバーとは、電気信号を音に変換する部品です。スピーカーの振動板にあたる部分で、イヤホンの中に入っています。

カタログには「6mmドライバー」「10mmドライバー」のように記載されています。この数字はドライバーの直径です。

よくある誤解

「サイズが大きいほど音がいい」は正確ではありません。大きいドライバーは低音を出しやすい傾向がありますが、音質はドライバーの素材・設計・チューニングによって大きく変わります。小さいドライバーでも高音質な製品はたくさんあります。

カタログのドライバーサイズは参考程度に見ておけば十分です。

④ 周波数特性

周波数とは音の高さを表す単位で、Hz(ヘルツ)で表します。数字が小さいほど低い音、大きいほど高い音です。

人間が聞き取れる音の範囲はおよそ20Hz〜20,000Hz(20kHz)と言われています。カタログに「20Hz〜20kHz」と書かれていれば、人間が聞こえる音域をカバーしていることを示しています。

ポイント

この数字だけでは音質の良し悪しはわかりません。「どの音域をどれだけ忠実に再生できるか」という中身が重要で、カタログの数字には表れない部分です。

「20Hz〜40kHz」のように人間の可聴域を超えた数字が書かれている場合は、ハイレゾ対応をアピールしています。コーデックの項目で説明したとおり、ハイレゾ音源を使わない場合は特に気にしなくて大丈夫です。

⑤ インピーダンス・感度

カタログに「インピーダンス:32Ω」「感度:105dB/mW」のような表記が載っていることがあります。

インピーダンスとは電気の流れにくさを表す数値、感度とは同じ音量の電気信号を入れたときにどれだけ大きな音が出るかを表す数値です。

有線イヤホンでは、スマホやアンプの出力との相性に関わるため重要な数字です。しかしワイヤレスイヤホンでは、アンプがイヤホン本体の中に内蔵されています。そのためスマホ側の出力との相性を気にする必要がなく、この数字が音量や音質に影響することはほぼありません。

ポイント

カタログに書かれていても、ワイヤレスイヤホンを選ぶうえでは無視して構いません。有線イヤホンに買い替える際には改めて確認してください。

⑥ IPX防水等級

「IPX4」「IPX7」のような表記は、どの程度の水に耐えられるかを示す国際規格です。IPXの後ろの数字が大きいほど防水性能が高くなります。

等級 耐えられる水 用途の目安
IPX4 あらゆる方向からの水しぶき 汗・小雨
IPX5 あらゆる方向からの噴流 激しい雨・汗
IPX7 水深1mに30分間沈める プール・洗い流し
注意

カタログに「生活防水」とだけ書かれていて、IPXの数字が載っていない製品もあります。「生活防水」は国際規格ではなくメーカーが独自に使う表現のため、実際にどの程度の水に耐えられるか外からは判断できません。IPX等級が明記されている製品のほうが信頼性の判断がしやすいです。

また防水はあくまで「水に耐えられる」であり、「水の中で使える」ではありません。IPX7でも水中での音楽再生は想定外の使い方になる場合があります。

⑦ 再生時間の読み方

カタログの再生時間には「イヤホン単体」と「充電ケース込み」の2つの数字が載っていることがほとんどです。

表記の例

「最大8時間(イヤホン単体)/最大32時間(ケース込み)」の場合、イヤホン単体で8時間使えて、充電ケースで3回分充電できるので合計32時間という意味です。ケースに入れるたびに充電されるため、毎日使っても数日間は充電器に繋がなくて済みます。

注意

カタログの再生時間はANC(ノイズキャンセリング)OFFの状態で測定されていることが多く、ANCをONにすると2〜3割程度短くなるのが一般的です。カタログの数字はあくまで最大値です。音量・ANCの使用状況・気温などによって実際の使用時間は変わります。

⑧ 対応デバイス・OS

ワイヤレスイヤホンはBluetoothがあればiPhone・Androidどちらでも使えます。ただしいくつか違いがあります。

コーデックの項目で説明したとおり、iPhoneはAAC、AndroidはaptXやLDACに対応している機種があります。使っているスマホに合わせてイヤホンのコーデック対応を確認してください。

もう一つ重要なのが専用アプリの対応OSです。多くのワイヤレスイヤホンには、イコライザー(音のバランス調整)やANCの強度調整ができる専用アプリがあります。このアプリがiOS専用だったりAndroid専用だったりする場合があります。

注意

「iPhone・Android両対応」と書かれていれば問題ありませんが、片方しか対応していない場合、アプリの機能が使えなくなります。イヤホン本体は使えますが、細かい設定ができなくなる点は覚えておいてください。

マルチポイント接続に対応している機種では、スマホとパソコンなど2台同時に接続できます。カタログに「マルチポイント対応」と書かれていれば、2台持ちの人には便利な機能です。

まとめ:スペック表で見るべき項目・気にしなくていい項目

項目 重要度 一言
コーデック ★★★ スマホの機種と組み合わせて確認する
対応コーデック(スマホ側) ★★★ iPhoneはAAC・AndroidはLDACも選択肢
IPX防水等級 ★★☆ 汗・雨で使うならIPX4以上を選ぶ
Bluetoothバージョン ★★☆ 5.0以上なら問題なし
再生時間 ★★☆ ANC ON時は2〜3割短くなる
ドライバーサイズ ★☆☆ 大きければいいわけではない
周波数特性 ★☆☆ 数字だけでは音質はわからない
インピーダンス・感度 ★☆☆ ワイヤレスは気にしなくてOK
まとめ

  • 音質に直結するのはBluetoothバージョンではなくコーデック。スマホ側の対応も必ず確認する
  • 運動・通勤で使うならIPX4以上を選ぶ。「生活防水」表記のみの製品は過信しない
  • カタログの再生時間はANC OFFの最大値。実際はANC ONで2〜3割短くなる
  • インピーダンス・感度・ドライバーサイズはワイヤレスでは気にしなくてOK
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